「中1ギャップ」とは、中学校になじめず出てくる問題行動と定義されています。
元中学教師で子育てママの視点から、大きな引き金となる「勉強」についておうちで出来ることを記事にします。
【中1ギャップ対応:勉強編】勉強で悩む中1の子にできること
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中1ギャップとは=中学校になじめず出てくる問題行動
中学校にあがり、小学校と異なる変化について行けず悩みを抱え、その結果「学習意欲の低下」や「不登校」や「いじめ」の問題行動がでてくることを「中1ギャップ」と言っています。
https://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf15.pdf
「中 1 ギャップ」 の語は、いわゆる 「問題行動等調査」 の結果を学年別に見
ると、小6から中1でいじめや不登校の数が急増するように見えることから使わ
れ始め、今では小中学校間の接続の問題全般に「便利に」用いられています。
しかし、いじめが中1で急増するという当初の認識が正しいのか、不登校の中
1での増加にしても 「ギャップ」 と呼ぶほどの変化なのかについては、慎重であ
るべきです。なぜなら、必ずしも実態を表現しているとは言い切れないからです。
とりわけ、その語感から、中1になる段階で突然何かが起きるかのようなイメー
ジや、学校制度の違いという外的要因が種々の問題の主原因であるかのようなイ
メージを抱くと、問題の本質や所在を見誤り、間違った対応をしかねません。
便利な用語を用いることで、目の前で起きている問題を理解した気になっては
なりません。実際に何が起きているのかを冷静に捉えることから始めましょう。
つまり、「中1ギャップ」という現象は小学校時代から徐々にスタートしており、中1になって急にはじまることではないという認識です!
※ここでは、あえて「中1ギャップ」という便利な言葉を使います!
①異なる小学校や先輩との人間関係
②負荷の増える勉強
③制服や部活や塾による生活の変化
②負荷の増える勉強 と挙げましたが、
勉強が思うように行かないという悩みを抱える中学生を沢山見てきました。
私の勤務していた学校の悩み相談の中で、毎回一番多かったのが「勉強のやり方が分からない」というものです。
中1ギャップのグレーゾーン
学校をお休みするなど目に見えて精神的に参っている状態まではいかなくとも、中学校1年生の梅雨の時期頃になると、なんとなく「うまくいかないような感じ」に陥ってしまう子もいます。
中学生の生活は、小学生の頃とは全く違います。
「社会人並みに忙しくなる」と例えている方もいます。
慣れるまでは、大変ですよね。
そこに、追い打ちをかけるように現われる「定期テスト」!!
定期テストで思うような結果が出ない
勉強面で挙げられるのが「定期試験の結果」の問題です。
中学1年生の中間テストは英語が簡単で平均点も高かったりして
「おっ!いけるじゃん。」
とやる気になる子が多くいます。
そして、中1期末テスト終了後には、「やったのに出来ない・・・。」なんてなることも。
このようなところでつまずく子が多くいました。
また、塾で先取りをしている生徒も多く、授業スタート前から明らかに差ができている状態からのスタート。
(教えている側からしても、どこに合わせていいのか難しいのです。
もちろん、学校で初めて習う子に合わせてやるのですが、そうすると内容がつまらなくなってしまう生徒もでてきてしまう・・・。
ここからが、教師の腕の見せ所なのですが、授業の実態を見ながら授業を展開でするスキルを身に付けている先生どれくらいいるかな・・・。)
※教科担任制・・・中学校にあがると、教科によって教える先生が変わる制度が教科担任制です。同じ先生にばかり見てもらうより、いろいろな先生と出会える方が生徒にとってプラスとなっていたと思います。
中学校からはじまる教科担任制が中1ギャップの引き金になっているという説もありますが、現場ではそのような感想を持ったことは一切ありませんでした。
定期テストでパッとしないと思ったら
①中学1年生のノートは親が見てアドバイスしてあげるといい
いつまでも親が見てあげる訳にはいきませんが、中学校入りたての子どものノートは一度全教科見てみるといいです。
中学1年生は、小学校用のノートから「大学ノート」へノートの使い方や種類も変わる時期です。
ノートを見直しても何が書かれているのか分からない状態になっていたり、プリントがぐちゃぐちゃに貼られている場合があります。
中学校では、約40人の生徒に向けて授業をしています。
学期末などに行うノート提出の時期になるまで、細かくノート指導できていない場合が多いです。
自分では、「黒板はしっかり写している!」と思い込んでいるので、
「復習した時に授業のことが思い出せるノート」となるようアドバイスしてあげるといいです!
きれいなノートを作る必要はないと思いますが、それで成績を落とされそうだったら、対策してみてください。(先生の評価は先生によって観点が違う・・・。)
我が子のノートも、プリントは折りたたんで重ねて貼ってあるし、板書は「タブレットに写してあるから~♪」といってほとんど書いていない!!
「ちゃんと、授業中に先生の言ったことも書いてるよ~!」と自信満々だったのですが、メモ状態で何のこっちゃっ!!という感じでした。
中学校教員時代、ノート点検では素晴らしいノートを沢山見てきたので、ちょっとがっかりしつつ・・・。
そんなキレイなノートはいらないから、せめて「自分の思考が分かるノート作り」はして欲しいと伝えました。
②英単語・新出漢字は全部やり遂げたか聞いてみるといい
小学校のテストでは、範囲も狭く、そこまでやらなくてもなんとかなっていたかもしれませんが、中学校の定期テストはいかにやり遂げたかで点数が変ってきます。
特に、英単語・新出漢字はどんどん増えていくので、定期試験毎に身に付けられると今後のためにも良いです。
勉強のやり方が分からず困っているようでしたら、単語や漢字を 読み上げてみてもいいかもしれません。
目標は、将来的に自分でてきるようにするためのお手伝い!
既に自分でできている子には必要ありません。
③ワークは答えを写していないか?提出期限に間に合うか?コソッと確認すべき
長いこと教師をやっていると、「写したワークや問題集」というのはすぐに分かります!
途中で間違えた箇所を作っていても、だいだい察しがつきます。
「終えている」ので突っ込みはしませんでしたが(笑)
でも、せっかくやるのだから、期日までに計画を立ててしっかりやり遂げた方が力になります。
そういう計画性も身に付けて欲しいものです。
我が子は数学のワークなど、一気にやってしまいたいタイプ。
理科などは一回解いておしまい。早く終わらせることが目的。
どんなやり方があっているか、分かりませんが、「計画性」ということを一度教えておかなくては!と思っています。
中1期末テストの後でもまだ間に合うかもしれません!
成績がつく前に是非。
④理科・社会の教科書は「範囲」の部分を解説してもらうといい。
理科・社会などはノートをさーっと見直して満足してしまう子もいます。
でも、教科書の図や脚注のようなところまでしっかり読んで再度理解するのが大切だと思います。
既によく知っている内容であっても、「教科書でかかれているどのようになっているか」というのを確認しながら復習させて、「説明してみて~!」と言ってみるのもいいと思います。
←人に説明すると頭に残るそうです。(中学校教員時代の研修で取り上げていました。)
更に、資料集や便覧なども範囲のところは全て読んだか。
中学生は、そこまで、手がまわらない子もいるようでした。
⑤数学に苦手意識を持たせない「勉強量の違いだから大丈夫!!←圧?」
数学は塾で先取りしている子が多くいます。
もともとできないわけでもないのに、既に解いた問題量の差が激しく「苦手意識」を持つ子がいます。
教員時代、そんな時には面談の時や相談された時に、「解いた量の違いだよ!」とアドバイスしてあげていました。
学校で配られた問題集があるのなら、全問分かるまで解く気合いを伝えてあげるといいと思います。
中1の勉強は親が口を出してもいい
思春期で親の言うことを聞かない子も出てくる年齢の中学1年生。
難しい時期だと思いますが、子ども達も問題を抱えています。
①異なる小学校や先輩との人間関係
②負荷の増える勉強
③制服や部活や塾による生活の変化
ここで上げた①~③に耐えている子どもを優しく見守りつつ、②の負荷の増える勉強については、おうちでもサポートして軌道に乗せてあげられると不安が一つ減るのではないでしょうか?
中1の成績の声かけは慎重に
内申や成績のことばかり気にして声をかけてしまうと、逆にプレッシャーを与えることになります。
中学校では、毎年数名「テスト返却後の改ざん」という事件が起きました。
先生によっては、「赤ペンだけ出してテスト返し!」とか「全員分の答案コピーとっていますよ。」といって公平になるよう対策していました。
子ども達も、成績については深く悩んでいるようでした。
成績は急には伸びませんが、中学生は自分なりの学習のやり方を見つけられた子が伸びていくように感じています!!
教科書やノート・ワークの使い方を中学校1年生の1学期の間に理解して、コツコツ積み上げて、自信を付けて欲しいと願っています。
我が子もついに中学1年生。
中学校の教師をやっていた時に思ってきたことが母として実践できるように、
・「点数」のことばかり言わずに
・「計画」や「プロセス」が大切
・「目標を持つこと」
について、子ども達に言っていこうと思います!
(我が子のこととなると無理かな・・・。)
中学生の勉強なんてもう家では見られないという場合は
勉強は好きではなかったし、教科書をみるのもイヤ!という方も中にはいることでしょう。
そんな場合は、「勉強で困っていることある?」くらいの声かけだけでもOK!!
「私も苦手だったよ~。」と少し勉強トークができるといいです。
中学生は「親離れ」のスタートです。
お子さんの様子をよく観察して、自分のうちに一番あったやり方を考えられるのがベストです!
ブログに書いてある情報は、あくまで一個人の意見ですし、アドバイスですから(^^ )
補足:公立学校で行っている中1ギャップ対策
公立の小学校と中学校では「小中連携」という取り組みが始まっています。
小学校高学年から教科担任制を導入したり、中学校の先生が小学校に教えに行ったりという話を聞いたことがあると思います。
学期に1回程度、学区内の小学校と中学校の教師で一緒に研修をしたりもします。
どれくらい功を奏しているのか・・・。
現場ではイマイチ実感がわかなかったのですが。
私個人としては、現時点では、小学校と中学校の組織を一体化して9年生にすることは反対です。
なぜなら、小学校でうまく行かなかった子が節目でリセットするチャンスを奪ってしまうからです。
小学校まではうまくいかなかったけれど、中学校になったら学校も変わり、世界が広がって気の合う友達もできて良かった~という救いがなくなってしまいますよーーー。
義務教育学校についてまだちゃんと調べていないので直感的な意見ではありますが・・・ほんとうにメリットの方が大きいのか懐疑的。
・・・
ご参考まで!!
義務教育学校では小学校・中学校というハッキリした区切り感なく徐々に移行していけるため、中学校過程にあたる後期まで大きく環境を変えることなく学べるというメリットがあります。さらには前期・中期・後期などゆるやかなまとまりにすることで、振り返りや確認など不要な授業内容の重複を避けた、効率的な学習が期待できます。その反面、9年間ずっと同じ顔ぶれ・雰囲気になりやすく、新たな変化へのキッカケが見つかりにくいというデメリットも。また、学校の統廃合により義務教育学校となることも多いため、遠い地域から通学せざるを得ない場合は負担が増えてしまう可能性もあります。「義務教育学校」って何? 小中一貫校との違いやメリット・デメリット 導入例もご紹介|ベネッセ教育情報サイト
1 小・中学校間の連携・接続に関する現状、課題認識:文部科学省
↓文部科学省 小中連携 一貫教育に関する主な意見等の整理(骨子案)
https://www.nier.go.jp/shido/leaf/leaf15.pdf
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最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は「勉強編」でしたが、今後「生活編」「行政の取り組み」についても記事を書いていきたいと思っています。
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