中学校教師として、多くの不登校の子どもと向き合ってきました。
中学3年生の進路決定の時、不登校だった生徒に対して、学校が救いとなるか、敵となるか・・・。
私は、不登校の子に中学卒業後の希望を持たせたい気持ちでつとめてきました。
退職した今でもその気持ちは変わりません。
学校も親も不登校の子どもに希望を与えたい!
7時のニュースでやっていました。家庭訪問、教育相談、学校側も大変だと思います。大変ですが、先生はやはりこういう時頼りにされる存在だと思います。 https://t.co/2uU5s9Kjqp
— ゆみママ/中学教師/子育て&キャリア (@yumimamanchan) 2021年10月13日
これは、昨日のNHKニュースを見て問題意識を持ちツイートしたものです。
不登校生徒に対する学校側の対応【現状の例】
私の勤めていた自治体では、教育委員会への不登校生徒の人数報告がありました。
(いじめ件数の報告もあります。)
学校は「不登校生徒 何パーセント減少!」のような数値目標を掲げ、「1年生は今年不登校の生徒が多いね~。」のようなやんわりした圧が管理職(校長・教頭)からかかったりもします。
なぜなら、教員も一般企業のように評価面接のシステムが確立して、具体的な数値目標を掲げることが良しとされているからです。
校長・教頭も教育長などから人事評価面接を受けているのです。
学校に毎日通える子が増えるのは、仲間との学びの観点からも良いことだと思いますが、この数値目標のやり方は方向性がおかしくなると感じていました。
(教員の仕事は、営業目標とは同じにはできない。と思っていましたが。)
熱心な先生ほど一日も早く無理に学校へ引きずり出そう頑張ってしまう。
(私も、そのような対応をしていた過去があります・・・。)
徐々に人間関係を作って行って、信頼関係を築いて、自己回復をしてからの登校というのが筋だということは、研修を受けたり、対応を経験していうくちに分かってきました。
とは言っても、学校側は安否確認はしたいし、どのような状況かも把握したいと思っています。学校に来ていなくても、学校やクラスの一員です。
もちろん、学校側としての責任問題もあります。
・1日休んだら電話
・3日休んだら家庭訪問
というのが、私の勤務していた学校の対応でした。
そして、状況を見て校内のカウンセラーやソーシャルワーカーと共に登校につながる支援策を考えて行くということもやっていました。
毎週水曜日の「教育相談部会」で生徒の様子を報告し合います。
生徒本人のことだけではなく、保護者メンタル相談も学校の先生が行いました。
場合によっては、地域の相談員さんに家庭訪問に行ってもらうこともありました。
「相談室登校」につながると、一歩進めた気がしてホッとするのが教員です。
これからも学校の先生は、不登校の子どもたちに寄り添って、前に進めるように、また勉強の遅れなどの不安を解決してあげられるように支えて欲しいです。
不登校の原因
5人不登校の生徒がいたら、5つの理由があるくらい様々です。
ただ、現在は非行傾向による不登校の子はほとどいません。
朝起きられなかったり、原因不明の不調に悩んでいたり、学校や家でのドラブルが原因していたりと様々です。そして、ずっと向き合っていても原因の特定ができない場合が多くあります。
最近は起立性調節障害という子も学年に1人くらいいました。(人数は、学校の規模にもよると思います。)
不登校の3~4割と言われる「起立性調節障害」とは
起立性調節障害の症状は、「朝起きられない」「頭痛」「腹痛」「倦怠感」などがあげられます。
起立性調節障害はなぜ起こるのかを調べると、「自律神経系の働きの乱れ」によって起こると書いてありました。
この自律神経系の乱れは、何によって起こるのかというと何らかのストレスも関わっていると書いてある記事もありました。
本来だったら、自分でコントロールできるはずの血圧ですが、それができい状態なので、血圧を上げる薬が処方されることもあるそうです。
朝、自律神経の乱れで血圧のコントロールがうまくいかないかず、具合が悪くて起きれず、学校へ行けず、罪悪感まで増し・・・。なんて悪循環なんでしょう。
助けてあげたいです。
何らかのストレスとは?ストレス社会を上手に生きられる子に
では、自律神経の乱れを引き起こす「何らかのストレス」ってなんでしょう。
”ストレス社会”といったらそれまでですが・・・。
思春期の子どもには悩みがいっぱいあります。受験や友人関係や恋愛や・・・。
真面目で繊細な子ほどストレスはため込んでしまうようです。
今でしたら、まさにコロナ禍というのがストレスの原因になっている家庭も多くあると思います。
東京オリンピックが終わりメダリスト達が語るシーンも多く見ることができますが、「ストレスは悪い物ではない。」と語る方もいます。ストレスがあるからこそ、いい成績が残せるのだと。
きっと様々な社会の重圧を取り除くことはできないから、それを受け入れて、ストレスを力に変えられる方法が身に付けられればいいな~。
そのために、親はどうしたらいいのでしょうか?
もし、症状が出てしまっているのであれば、乗り越えたことは良い経験になると思います。改善が少しでも早くなるように、「安心感」を与え、「食事・日々の運動・生活リズム」を支え続けてあげることだと思います。
まだ、お子さんが小さければ、ちょっとずつ困難を自分で成し遂げることを続けていけばいいと思います。すべての障壁からガードするような生活ではなく、自分で解決していくことの積み重ねができればいいと思います。
きっと「敏感さん」と言われる、HSP(ハイリ-・センシティブ・パーソン)の子もいると思います。生きづらさもあると思いますが、感じやすい個性を武器として活躍して欲しいと思います。
ゲーム依存・ネット依存やそれによる昼夜逆転の場合は・・・
コロナ禍により、ゲーム依存が加速してしまった子も中にはいるようです。
この場合は、家庭でのルール作りが必要になってくると思います。
そういう私も、現在、ブログ依存症。
始めたばかりの事や、今面白くなっている所!という時はどうしてもはまってしまうものです。(心の中に、時間の使い方に対する罪悪感はあります・・・。時が経てば、落ち着いてくると思いますが・・・。)
是非、家庭でのサポートをお願いします。
そして、依存中の張本人は・・・、1日のスケジュールをたててみましょう。
悩んで思い詰めている子どもへのメッセージ
最初に掲載した「NHK@首都圏」のニュースによると、自殺した児童生徒の人数も過去最多になったとありました。
思い詰めたら、子どもでもどんどん「死に関する情報」が収集できてしまう現代。
自殺が身近なことになってしまうのは本当に良くないと思っています。
自殺は殺人と同じ。自分ならいいなんてことはないです。
「失敗は成功のもと」という言葉が大好きです。
未来は自分の意思で、いくらでも巻き返しがきくものです!!
周りの人を悲しみのどん底に突き落とすのではなく、一人でも幸せにしてあげられるような選択をしてください。
SOSを発信して、逆境から抜け出す道を必ず見つけてくださいね。
自分がこんなのは嫌だ!って思っていることこそが、これから先、生きていくときの強みになるので、乗り越えてみせてください。