教員不足は、「教員の年齢構成」の問題も影響しています。
私は、公立中学校の教師として働いている中で、「教員不足」を実感していました。
動ける人の元へどんどん仕事が押し寄せてくる現場・・・。一人倒れれば、その分また別の人へ負担が押し寄せてしまう・・・。
フルパワーで働かなければ、追いつかない仕事量。子育てとの両立はムリと教職を諦めることにしました。
「教師を魅力ある仕事」にしていきたいという思いで記事を書きました。
教員不足の現場【教師を魅力ある仕事へ再び】
教員不足の実態
「理科の先生が不足したままのスタートなんだよね~。」
←今年度非常勤講師でお仕事している某中学校。
「産休代替の先生が見つからず、教頭先生が担任!」
←我が子の小学校。(解消されました。)
身近に迫っている教員不足。
教員不足が起きると、先生達は毎日キャパオーバーの状態で仕事をすることになります。
教員不足の職場では、60歳を過ぎた再任用の先生が活躍しています!
(6クラス平行の学年に一度退職した再雇用の先生が2人いる時も。とっても頼りになるんです!ただ、お給料は現役時代の半分って言っていました。100%お仕事してもらうのは申し訳ない感じ。分掌を決める時には過度な負担にならないように気にしてしまいます。でも、やってくれますけれどね!)
※分掌とは・・・校務分掌のこと。先生の役割分担「生活指導」「研究担当」「生徒会担当」「安全教育」「教育相談」「道徳主任」などなど・・・。
団塊の世代の教員の退職により、職場環境は大きく変りました。
年齢構成がいびつだった教員社会。
←全ての根源はここではないでしょうか???
現在40代の私が新人時代は、なかなか後輩が入ってこない職場でした。
同期もほとんどいなくて、ず~っと最年少。
同世代がいないので、産休に入るときもぽつんと一人。
ところが、この数年で団塊の世代の先生が一気に退職し、気付いた時には20代の教員に囲まれていました!
(子育ての悩みが共有できない環境は辛かった~。)
最初、とっても勢いのある若い先生方。
ところが、プライベートのない日々と心身を休める機会がないままに、徐々に疲弊していきます。
あれっ。
思い描いていた先生の仕事って、こんなもの?
子ども達との日々より、それ以外のことで振り回される日々・・・。
(まさかの未経験運動部の顧問・土日の勤務・地域との問題・自分に不向きは校務分掌などなど・・・。)
やる気が落ちてしまった時には、先輩教師としてとっても焦ります^.^;
若い先生が多いというのはいいことです。
活気もあるし、恋バナもある~♡
今までの職員室では考えられなかった「先生の結婚ラッシュ!」
学校中心で燃えていた若いパワーは、自分の家庭へと注がれていきます。
そうでない人もいますけれど!家庭は大丈夫?
(忙しく出会いはないため、学生時代からのお付き合いで結婚する先生が多いです。先生同士で結婚される先生もいます♡中には出会いがなく、マッチングアプリでという先生も。)
団塊の世代の先生に達によると、
「昔も若もんばっかりで、土曜にはみんなで体育科でバレーボールとかしていたよっ!ワッハッハッ!」
私が中学生の頃活躍されていた団塊の世代の先生方。
学校が荒れていて大変だった頃だと思いますが、今の先生達と違いなんか楽しそう。
「金八先生」「スクールウォーズ」先生達の仕事が、魅力にあふれていた時代です。
(不良生徒との絡み、大変~。でも武勇伝ですねっ!!)
それはさておき、教員不足が起きると、誰かのところへ不足分のしわ寄せがドバッと押し寄せます。
それが、教頭や主幹や、そこそこ仕事のできる先生たちのところへと・・・。
私のブログは「優秀な先生 辞める」というキーワードでも検索されることが多いのですが、まさに「優秀な先生」のところへ教員不足のしわ寄せはやっていきます。
私が優秀な教員だったみたいな言い回しになっている!?フフフ。仕事はいっぱいしましたよ~。やりきって力尽きました。
また、「教員辞めたい40代」というワードでの検索も多くあります。40代や50代の教員へのしわ寄せ、仕事のできる若い教員への仕事の負担増加、問題なんじゃないでしょうか・・・。
教員不足はなぜ起きる
1.団塊の世代の先生の大量退職による
少子化も進んでいるので、”移行期間は「臨時採用」の先生でまかなおう”という考えだったようです。
教職員定数の問題もありますし。
※教職員定数・・・生徒の人数に対する教員の人数の計算←実際の現場では、こんな単純な計算式ではどうにもならない問題が起きています!!
「臨時採用」の先生達、何年も採用されなかったら将来が不安になり諦めて他の職業に就いてしまいますよね・・・。
今は「臨時採用」の先生達の採用も難しくなってきたと聞きます。
新採用の先生の傾向も変りました。
今までは、何年か臨時採用を経験してから受かるパターンの先生が多く、「即戦力」でしたが、今は大学卒業後「教員採用試験一発合格」という人が増えています。
教員の酸いも甘いも知らずに「先生の世界へようこそ!」となり、「現実とは違う」と悩む人も多いです。
最初の1年を乗り越えられれば、学校の流れも分かるのでもう大丈夫ですよっ!!
2.産休・育休のピーク
みなさんの学校の先生の年齢構成、今はどうでしょうか?
20代・30代の先生が多い職場では、産休の教員が増えていると思います。
ちょっと前までの学校は、結婚適齢期の先生が少なかったです。(出会いの場もなく・・・。)
現在は、男性の育児休業も促進され(良いことです!)、育児休業中の先生が増えています。
ここまでは良いのですが、「育休」の代替要員が確保できなくなったとのことです!
そうすると、教員不足のまま学校がスタートすることとなります。
そんなことを気にしながら、罪悪感を持ちながら「産休・育休」をとらなくてはいけないのも辛すぎるし、なんかおかしいですよね・・・。
産休はこれから出会う赤ちゃんのことを考えながらゆっくり過ごして欲しいです。
お休みすると迷惑かかるなんて思わず過ごして欲しいです。
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3.病休の先生の増加
銀行で働いていた時も、ある日突然、先輩が休み出すということがありました。
きっと、教師に限らずどこの職場でもあることだと思うのですが・・・。
学校の先生の「病休」というのも身近で起こりました。
3名の先生の顔を思い出します。
一人の先生は、初任の頃の学校・・・。
更衣室のドアをあけると、立ったまま泣いている家庭科の先生がいました。
当時初任だった私は「大丈夫ですか・・・。」しか言えなかったです。
その後、学校に来なくなってしまいました。
今思うと、すごく大きなダメージが、その日あったのかもしれません。
二人目の先生は、初任2年目くらいの方です。
期末テスト後くらいから学校に来られなくなり、みんなで他教科の採点をしました。
その後も何回か病休を繰り返し、最後は円満退職ではなかったような記憶があります。
三人目の先生は、今も続けていらっしゃいます。
薬を飲みながら、通院しながらの勤務だと思います。
辛い時には、無理はダメです。
ただ、教員不足の現場では、一人パワー不足になると、その分のしわ寄せは大変なことになります。
その結果、負の連鎖で他の先生も「これ以上は無理~。」ということが起きてきます。
教員不足のあおりを受けた教員は、負担増で「これまでのスキルを活かして新天地へ!」と方向転換する人も。教師を辞めることに未練を感じつつも、より良い職場環境を探します。
4.負の連鎖による教員という職業への魅力の低下
「教員はブラック」と言われるようになりました。
でも、子ども達は学校の先生になりたいと思っています。
第一生命の「大人になったらなりたいもの」(2021年3月)の調査結果では、
教師・教員になりたい
小学生 男子 10位 女子 2位
中学生 男子 9位 女子 5位
高校生 男子 5位 女子 4位
まずまずの結果です!!
https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_102.pdf
実際に、中学校で教えていても「私、将来先生になりたいです!」という子が何もいます。
しかも、「是非、先生になって~!」という子ばかり。
先日、成人式に行ったら
「教育実習行きます!先生になりたいです~。」
という子が何人も話しかけてくれました。
(私、辞めちゃったよ~。頑張ってね!といいました。)
では、なんで定員割れがおきるのでしょう(T-T)
採用倍率は過去最低、教師不足で授業もできず…混乱を極める教育現場の惨状(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース
「教師」は魅力ある職業でありながら、実際この世界に足を踏み入れると思うと、この仕事、プライベートないんだ・・・。と気付く。
「先生の仕事意外」のところで、足を引っ張る要素が沢山あることに気付いてしまうからだと思います。
公教育の大切さ
会社には「人事部」という部署があり、「優秀な人材」を確保するために様々な作戦を立てます。
公教育は、今までの「だまっていても人が集まる」ということに甘んじて、今、どんどん優秀な人材に逃げられている現状にあると思います。
「教師の働き方改革」現場では、夢のような話になっています。
先生達がおしすすめるには忙しすぎて無理があります。
退職した先生や、世間が発信して、公教育を守って行けたらと思います。
現在「家庭教育」に力を入れている人たちが沢山います。
素晴らしいことです!!
でも、「公教育」には家庭教育では補えない、重要な要素があります。
公教育は、友達と切磋琢磨して、日本の「常識」というものを共有しながら、自分の適性を見極めていく場。
個人だけでは絶対になしえないものがあり、それが日本の土台となっていると思います。
先生達は、そんな大切な基盤を守っているんですっ!!
教員に求められているものって何だろうと考えました。
私は、教員を何でも屋にしてはダメだと思います。
「教育や学習のプロ」として採用しない限り、教員の権威はどんどん下がり続ける一方ではないでしょうか。
優秀な教員=「生徒指導で同じ方向を向かせるのがうまい人」・「親のニーズに敏感ななんでも屋」ではないと考えます。
教師を魅力ある職業へ
以下、「マイナビ・日経の2023年卒 大学生就職企業人気ランキング」より抜粋です。
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文系総合:東京海上日動火災保険が2年連続のトップ。2位のソニーグループは前年19位からの大躍進、3位に前年5位のニトリが入った。4位の日本生命保険など「安定」「社会貢献」をキーワードに生保・損保業界が前年に続き多くランクイン。前年コロナの影響を受けたホテル・旅行業界はPlan・Do・Seeが前年41位から12位に、JTBグループが前年35位から19位と大きく順位を上げている。
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理系総合:文系総合2位のソニーグループが理系総合首位に。2位に味の素、3位が富士通となった。4位のNTTデータ、7位のSkyなど、IT関連需要増とともに情報技術に強みを持つ企業が上位に入った。また8位の三菱重工業は前年43位から大幅にランクを上げた。
「マイナビ・日経 2023年卒大学生就職企業人気ランキング」を発表|マイナビのプレスリリース
人気があるは、やはり知名度の高い企業ですが・・・。
収入や安定性だけでなく、最近は「福利厚生」についても発信しています。
ようやく、「働き方改革!」と唱えるところまで来たので、次は企業のホームページのように「教師は、こんなライフスタイルで働けます!!」というような宣伝ができるまでになれば思います。
今、教員のリアルな1日を採用宣伝にしたら先生になりたい人も一般企業へ逃げちゃいそう!!
本来魅力あるお仕事なので、きっと「教員不足」なんて暗いニュースで先生達が疲弊することはなくなると思います。
\就職人気2年連続トップの 東京海上日動のHP/
損保だって、教員と同じかそれ以上に大変な職場だと思います。
でも、変ろうとして魅力ある発信をしているところが素敵です!!
「教員を魅力ある職業へ」
教員の職場も、ライフワークバランスを整え、それを広報する段階がやってきたら是非それをお仕事にしたいです。
先生達、それまで持ちこたえてください~。
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