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通知表の付け方が変わった 学習指導要領改訂2021年 中学全面実施へ

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中学校の通知表の評価が変わった(2021年:全面実施)

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中学校の通知表の付け方が変わったのをご存じですか?
今まではテストなどの結果を重視していましたが、今後はその課程=プロセスつまり、各自の努力を重視していく方向性のようです。
現場にいた私としては、かなり混乱しました。

 

 

通知表の評価が変わった理由

学習指導要領が見直されたからです。

学習指導要領とは、
 全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。
文部科学省HPより引用

 

学習指導要領はだいだい10年毎に見直され、どのように教育していくかの方針が決定します。今回は、「予測困難な時代」を生き抜くための力を資質・能力を育むための改訂だと認識しています。

2018年からの移行期間を経て、2021年から中学校の評価の仕方も変りました。それにともない、通知表のフォーマットも変った中学校が沢山あると思います。

 

中学国語の変更の例

通知表は5段階評価で出されている学校がほとんどだと思います。
オール5をとったら「すごーい!!」
1をとってしまうと「どっどうしよう・・・。」
あの評価です。


・・・ちなみに、私立の推薦をとろうとすると、3年生1・2学期の評価で「1」がついていると推薦基準から外れてしまうという場合もあり、教師も生徒も「1」をつけたりつけられなくて済むよう必死でした。


この5段階評価の基準は学校によっても先生によってもばらつきがあるので、この評定は「全国模試」ようなような役割は担えません。
(受験に必要になったりもするので、この数字はいったい・・・と思えてなりませんが。ただ、ちゃんと学校毎の基準は設けられているはずなのでご安心を。)

今までは、この5段階評価は主に中間テストや期末テストの結果で評価がつけられていました。

この5段階評価はそのまま残りますが、数字とは別につけられているA・B・C「観点」に変更があります。

ただし、「1~5」を付ける時には、「観点」をもとにつけますので、今までの「1~5」の評価の中身も違ってきていると思います。


その「観点別評価」、中学国語は5つに分かれていました。

1、国語への関心・意欲・態度→①

2、話す・聞く能力 →②

3、書く能力 →③

4、読む能力 →③

5、言語についての知識・理解・技能 →③

 

 

これが、3観点へと変更になりました。(全教科共通で3観点へ)

 

1、知識・技能 →③

2、思考・判断・表現 →②

3、主体的に取り組む態度→①

 


茶色の文字で色付けした「③知識・技能」の所は、子どもたちも力を入れる「中間・期末試験」で評価の付けやすい部分です。



「②思考・判断・表現」は作文や発言などから評価ができます。(このあたりは、主観が入ってくるのでちょっと評価が難しくなる部分です。)

 

一番やっかいなのが「①主体的に取り組む態度」の部分です。色々な考え方がありますが、私自身はここの評価がいつも一番難しいと思っていました。

 

大切なものは目に見えない。

 

数字を取るなら提出物などでバシッと出すことはできますが、それを求めている項目ではないのは十分承知です。
5段階評価の3分の1がこの「目に見えないもの」を正しく評価してあげなくてはならないというのが至難の業です。

 

 

主体的に取り組む態度とはどんなところが見られるか

5段階評価の※3分の1がこの「目に見えないもの=主体的に取り組む態度」とは・・・。

※学校によっては、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に取り組む態度」を均等にしない学校もあると思います。

 

a.粘り強い取り組みを行おうとする側面→努力し続けている子など

b.自らの学習を調整しようとする側面→失敗は成功のもととチャレンジする子など


この2つをバランスよく評価するよう指導を受けました。
ですから、定期試験で100点をとった子も、50点をとった子も「a.粘り強い取り組み b.自らの学習の調整」のところで頑張ることができれば「①主体的に取り組む態度」の観点にはA評価がつくということになります。
でも、この頑張りを40人学級(勤務していた学校では、40人ギリギリの学年の国語を6クラス受け持ったこともあるので、約240名!)で見てあげるのは無理が・・・。

主体的に取り組む態度でAを取るには「提出物」をしっかり出すことは必須になってきます!!

通知表評価の理想と現実

いつも、公平な評価って何だろうと考えていました。
公教育の良さは、日本全体のことを考えた文部科学省が、今足りていないところを見極めて日本全体に行き渡るようやっているところだと思います。確かに、予測できない社会には暗記中心ではなくて、「主体的に学ぶ・対話的な学び・深い学び」が大切です。自ら考えて切り開いていく子に育って欲しいです。

学校からの評価があれば、それに向かっていくでしょう。
でも、この評価、本当に平等につけられるのかしら?
今までは結果重視だったものをプロセス重視の評価に変えていく
とのこと。これからの社会だって結果もださなきゃやっぱりダメでしょ?

これからの評価は、その子のプロセスに対するメッセージとしての評価であり、受験の物差しとは違う役割に思えてなりません。

数字で表れない目に見えない頑張りは、数字ではなくて、「先生からの主観として」声かけとかアドバイス・励まして伝えてあげたいなあと思います。
それでいいような気がします。


もし、「内申点」として従来通り高校入試に利用するのであれば、地区・地域が違っても同じものさしの評価、もっと客観的なものであるべきだと思います。


16年間公立中学校の教育に関わってきた者として、私見を述べました。